近未来お笑い

輝いていたあの人

「輝いている君」を書いている時に

ふと思い出した人がいた。

もう4~5年前のことだけど今でも鮮明に

彼の輝きが目に焼き付いている

あれはある冬の朝のくそ寒かった日のこと(北海道)

おれはちょっとした用事で郊外に車を

走らせていた。

そしたら舗装が未熟な道路の工事

しているありふれた風景に遭遇した。

そこは中央分離帯なしの一車線だったから

片方ふさがった道の混雑を防ぐために

徐行の看板を持ったお兄さんが立っていた。

もちろんこれもよくある風景のはずだった。

だけど違ったんだ。

彼はまさに「徐行看板持ちのプロフェッショナル」

だったんだ。

彼の尋常じゃない体の動きは300M前からでも

はっきりと見ることができた。

左右のななめ45度激しく伸び縮みしていた。

休む間もなく永遠と、左ななめ45℃→右ななめ45度

の伸び縮みの動きをゆったりと優雅に力強く

くりかえし動いていた。

そしてさらに特筆すべき点は彼の表情、

それは自信に充ちあふれながらの満面の笑みだった。

そこを通った人は間違いなく噴き出すほどの

コミカルな動きとそのダイナミックで奥深い動きに

完全に目を奪われていた。(と思う。)

そして最初の爆笑が次第に感動と感謝に

変わっていったのを鮮明に思えている。

おれはそこを通り過ぎたあとも幾度となく後ろを

振り返り、見えなくなった後も

「あいつすげ~!!あいつすげ~!!、、あの人すげ~!!」

を大げさ抜きで20回くらい連発していた。

それは決して馬鹿にした言動ではなく、心から

彼に尊敬の念を抱いていた。

おれはそのあと車を走らせながら

なんとかこの感動と喜びを彼に伝えたくて

何か形にしたくてしょうがなくなった。

そしておれは次の行動をとった。

コンビニで肉まんと缶コーヒーを買って

彼の立っていた場所へ引き返していた

何かしらの用事をそっちのけで、、

おれがちょっとおかしい人間というのは

置いておいて彼が一人の人間をここまで

動かしたという事実に真剣に目を向けてほしい。

それほどまでに彼の「徐行の誘導」は

常軌を逸っしているものだったんだ。

彼の動画をここで再現できないのが本当に悔しい。

そしてさらに残念なことにおれがそこに

戻った頃には彼は休憩か何かはわからないが

そこからすでに姿を消した後だった。

おれは猛烈に後悔した。この感動を

彼本人に伝えることができなかったことを。

あの時彼はどんな気持ちであの動きを

していたんだろう?

罰ゲームかもしれないし、ねらってやっていた

かも分からないけど、少なくともあの瞬間の彼の

表情と動きはそんなことは微塵も感じさせない

ほど見事なものだったんだ。

おれはその興奮を抑えきれず、まわりの知人や

友人などにこのことを伝えたが、(おれも話しながら

感じていたが)決して伝わることはなかった

おれは今も道路工事の現場を見ると

彼の姿を無意識のうちに探している自身に

気付く。もうあの感動は二度と味わえないだろう。

だからこそあの時の出会いを誇りに思う

彼は今も日本のどこかで徐行の看板を

振り続けているかもしれない。

彼は輝いていたpp

HID

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